2013年4月9日火曜日

みずほ証券チーフエコノミスト上野泰也氏の講演を聞きにいきました。

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 ★4月9日 みずほ証券チーフマーケットエコノミスト上野泰也氏の講演を聞きにいきました。

上野氏はアベノミックスに関しては、当初から非常に否定的でしたが、
安倍首相の金融緩和の意向を全面的に主導している黒田日銀新総裁の
金融緩和に関して、「片道燃料の特攻隊が始まった」と語調を強く
否定していました。
 
講演のタイトル:「当面の内外経済・金利・為替見通し」

・黒田日銀新総裁の導入した「量的・質的金融緩和」で日本市場
 をテーマにマネーゲームの狂乱が始まりましたが、本日ここに
 集まっている皆さんのような金融のプロはこの狂乱に対して
 冷静に対応しましょう。

・物価は経済変動の遅行指標です。物価を先に上げて、そのより、
 景気をよくすることはできません。ムードだけで、物価も、
 景気も良くなりません。」

・今後は中期的には以下の(3)に収束するだろうと見ています。
 (1) 期待で株式相場が上昇するなど、期待が先行し、
   その結果、経済実態が期待について来る。
 (2) 賃金・需給等の経済実態はあまり変化しないため、
   いずれ期待が剥げ落ち失速する。
 (3) (1)、(2) の間に落ち着く

 (3)に落ち着くでしょうが、期待が実体経済に与える影響
   は弱いため実際は「(2)に近い(3)」で収束するでしょう。

・債券相場は、今回の日銀の「量的・質的金融緩和」で完全に
 破壊されてしまいました。 超長期金利は急騰する可能性あり、
 超長期債投資は慎重になるべきであると思います。

・株式相場も狂乱が始まっておりますが、結局はクラッシュ等の
 調整が入ると思います。今は、軽々に相場に手を出すのでなく、
 調整が入ってから、冷静に入るべきであろうと思います。
 私は、このような話を皆にしておりますが、、ある方からは、
 「今の相場で強気でないのは上野さんお一人だけですね。」
 と言われてしまいました。

・9月から景気は減速すると見ております。

・黒田日銀総裁は今後5年間は利上げできないだろうと思います
 今回の日銀緩和策は、終わり方をまったく考えていない。
 「出口がない特攻隊が始まった。片道の燃料をつんで出撃してしまった。」

・「家計のネットの資産合計」-「中央政府・地方政府のネット負債」
 の計算式でバランスを計算すると、定義にもよりますが、
 このバランスは150兆円~360兆円程度です。
 また、このバランスは今後年間30兆円程度減少していきます。

 上記のバランスがマイナスになると国内で国債の消化が困難になり、
  クラッシュが来る可能性が高まります。
 今後5年~12年で、このバランスが、マイナスに入るでしょう。

・日銀が開始する年間数十兆円の国債買入れをストップした
 時点のインパクトは大きく、感嘆には簡単にはやめられなく
 なってしまいました。終わり方をまったく考えていない政策です。

・アメリカ経済と日本経済では、足腰の強さが違います。
 日本の場合「人口が減少していくこと」と
 「競争力の弱い産業・企業が温存されている」の組み合わせが問題
 で、将来的に問題を吸収していくキャパシティが低い

・キプロスの問題で、ユーロがキプロス救済でキプロス自身の負担で
 浮上したアイデアが、預金に対する強制課税でした。
 今後、日本の財政問題を国際的枠組みに救済を求める場合、
 日本でも同様の可能性が十分にありうるということです。
 預金の強制課税は将来の日本の話しとしても考えるべきでしょう。

・今回の日銀の政策の開始で元モルガン東京支店長藤巻健史氏が
 言っている「日本は焼け野原になる」は現実性を高めました。

===ある外国銀行調査部長と上野氏の見解の比較==
先日ご紹介したお話と比較しましょう。
ある外銀エコノミストの話
 ↓ ↓ ↓
http://tokyo-academy-supporters.blogspot.jp/2013/04/2014320000120.html

□共通点
 今回の日銀の緩和政策の導入により、中長期的にクラッシュが来る蓋然性はかなり高い

□相違点
・外銀エコノミスト氏は、「日本株は買い=過剰資金は株式に向かい
   2014年3月に日経平均2万円を目指して上昇」
・みずほ証券上野氏は、期待の高まりは実体経済の動向に収束し、いずれクラッシュ。
   いまの狂気の相場に健全な投資家は手を出すべきでない。」


《参考》4月4日日銀の決定の内容

 「量的・質的金融緩和」の導入について
   ⇒http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf

 「黒田総裁記者会見」
   ⇒ http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1304a.pdf

  ロイターの記事
   ⇒ http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130404-00000074-biz_reut-nb

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